アセスメントシートを活用にする前に正しいアセスメントを知ろう
アセスメントはその後のケアマネジメントを左右する程、重要プロセスです。
言わばアセスメントの質がその後の質を決めると言っても過言ではありません。
ではこの質を高めるためにどのような点に注意すれば良いのか、今回はお話をさせて頂きます。
アセスメントシートの利用方法
そもそもアセスメントシートは一体何のために用いるのでしょうか。
平成28年4月22日に開催された社会保障審議会で用いられた参考資料(ケアマネジメントのあり方)から、アセスメントに関する項目を一部抜粋すると以下のようになっています。
- 利用者の置かれている状況の把握
- 生活上の支障・要望などに関する情報を収集
- 心身機能の低下の背景・要因を分析
- 解決すべき生活課題と可能性を分析
上記1~4のプロセスにおいて特別なアセスメントシートが必要であるかと言えばそうではありません。
各事業所で用いられているものがあればそれで構いませんし、厚労省が打ち出しているものをそのまま流用して頂いても構いません。
現在使用しているアセスメントシートが十分な情報を得るに事足りない場合は、自分自身が扱いやすいと感じるものに切り替える、もしくは事業所に相談の上で既存のシートに付け足すなど等、工夫されるのと良いでしょう。
大切なのは上記項目をシート上に漏れなく記載できるものを選択するということとなります。
アセスメントシートの書き方の注意点
単なる作業にならないように!
アセスメントを進めていく中で、多くの情報を入手しそれらをシートに落とし込んでいかれることだと思います。
ここで注意しなければならないことは、シート内を全て埋める単なる「作業」とならないようにするということです。
特に慣れないうちはともかくシート内を全て埋めることだけに囚われがちであり、対象者をまったく見ていないということも珍しくありません。
状況の把握にせよ、情報の収集にせよ、目に見える表面的な情報だけを鵜呑みにし、それをもって状態の確認とすることが無いようにしなければなりません。
アセスメントツールに記載される情報は、少なくともそのアセスメント実施段階において、対象者の現状を正確に把握したものでなければなりません。
そうでなければ、多職種でツールを共有した段階から情報の齟齬が生じてしまうためです。
そのためアセスメント実施者は情報の整理と振り分けを常に行う必要があります。対象者の口から語られたものだけが正確な情報であるとは限りません。
アセスメント実施者はいくつもの情報からその真意を探り真に正確な情報を見つけ出す必要があります。
そのためには、質問技法、面接技法も必要となってきます。
シートはあくまで情報を整理するためのツールに過ぎません。ツールは人によって使われるべきものであり、ツールに使われてしまうことがないように注意が必要です。
情報は偽りなく第三者が理解できるように!
アセスメントシートに限ったことではありませんが、仮に情報開示が求められた際には当然ながら開示しなければなりません。
アセスメント対象者あるいはそれに関わる第三者に閲覧されても問題が生じないようにするためにも、情報は偽りなく正確に時系列に沿って記載します。
また会話のやり取りといった言語を乗せなければならない場合は「私は~と思った」等の主観的な要素は一切入れず、箇条書きにて分かりやすく記載するようにします。
その上で略語や自分しか分からないような単語等は使用せず、客観的な視点をもって記載することが大切です。
まとめ
アセスメントシートを正しく使う事により、課題整理は容易なものとなってきます。
しかしそのためには、アセスメントの意味と、求めているものをしっかりと理解する必要があります。
どれほど優れたツールを用いたとしても、利用方法一つでその価値も変わるため、一つ一つのアセスメントを大切にしましょう。