ケアマネジャー(以下ケアマネ)とは、介護保険制度において高齢者と介護サービスとを繋ぐ役割を担っている専門職です。
試験を受けるには、介護福祉士などの法定資格を有し、かつ5年以上の実務経験が必要で、近年の合格率は15%を下回っています。
そもそも介護業界に全く興味がなかった私がなぜケアマネになったのか、その経緯をご紹介したいと思います。
なぜ介護業界を選んだのか?
もともと起業したいと考えていた私は前職を退職し、友人とwebサービスの会社を立ち上げました。
知名度も実績もない会社は思うように軌道に乗らず、今後の展開について模索していました。
ちょうどその時、一緒に介護事業所をやらないかという誘いを受けたのです。
介護保険事業は自治体からの認可制のため、開業すると共に一定の信用が伴います。
また日本は超高齢社会となり高齢者向けサービスの需要は上昇傾向、併せて初期投資にかかる費用が押さえられそうな事業形態であるとの事でした。
またその事業形態(ケアマネ・訪問介護)において相乗効果が期待できると、こうして安易な思索の末、私は介護業界に飛び込んだわけです。
最初の資格
訪問介護事業所を開設にするにあたり、常勤換算で2.5名のヘルパーが必要でした。
管理者である私には資格は不要でしたが、ヘルパーの在籍数に加えるため、また介護業界のイロハを学ぶためにもこの業界の登竜門であるヘルパー2級(現:介護職員初任者研修)の資格を取得しました。
資格と言ってもスクーリングのみで、要した期間は1ヶ月半ほどでした。この最初の資格であるヘルパー2級で学んだことは、介護技術の基礎から高齢者や家族の理解、認知症や介護保険の知識など、今後この業界で働いていく上で常に必要な、また更新し続ける情報の礎になったことは後々になって分かりました。
キャリアパス
訪問介護事業所の管理者としてそのキャリアをスタートしたわけですが、あわせて訪問介護業務も行いました。
事業所の運営と共に、ご利用者のお宅に訪問してサービスを行う日々。1年ほど経つとサービス提供責任者(ヘルパー長)が退職する事になったので、私は介護職員基礎研修という資格を取り、管理者からサービス提供責任者になりました。
それから2年経ち、実務経験3年となった時点で介護福祉士を取得しました
介護業界には様々な職種があります。ケアマネ・訪問介護に加え、通所介護や福祉用具などの在宅系サービス、特養や老健などの施設系サービス、またその周辺には有料老人ホーム紹介会社や人材紹介会社などもあります。
介護職員としての介護福祉士が主に関わるのはご利用者とご家族、それとサービス計画を作成するケアマネです。私は介護福祉士の次のステップとして、より多くの職種との関わりを望むようになりました。
多くの視点を持つ事により、新たな可能性やニーズを見出し、ひいては新しい職種も構築できるのではないかと思ったのです。
そして実務経験も5年となり、より多くの業種と関わるケアマネ取得に至りました。
まとめ
「介護専門職が介護を担当することにより、ご家族はご家族にしかできないケア、または自身の仕事や生活に専念できる。」
私は介護職にはこのような社会的役割があると考えています。
2025年には国民の3人に1人が高齢者になると言われています。厚生労働省は、高齢者福祉にかかる費用により財政は逼迫しているとし、在宅生活の継続を推奨しています。
とはいえ、介護に追われご家族が職を失っては日本の未来が心配です。このように、私たちも介護専門職も、その未来に関わっているのです。
この仕事のやりがいは、ご利用者やご家族からの「ありがとう」の言葉に加え、他にもたくさん見つけることがあります。その発見を積み重ねることにより、仕事を継続する動機付けとしているのかもしれません。
私の場合、動機付けには新しい知識を得ることも重要です。
新しい知識は視点を増やすことに繋がり、変化を生みます。変化は好奇心を作り、また新しい知識を探すようになります。
介護の需要の増加に反し、介護職員は減少しています。それにより、介護サービスが十分に提供できない状況が訪れています。
その悪循環を少しでも抑止できるよう、私がこの仕事を継続するために行っていることをご紹介させて頂きました。