介護業界の面接で退職理由を聞かれた時の答え方のポイント
介護業界で転職をしようとすると、面接で退職理由や転職理由をよく聞かれます。
- なぜ今の勤務先を退職してまで採用試験を受けるのか。
- 前職からブランクが空いているのはなぜなのか。
適切な退職理由をしっかり答えるのは、採用面接のヤマ場といっていいでしょう。
そこで、今回は、介護業界の就職試験や転職活動で必ず質問される、面接試験での退職理由や転職理由のまとめ方や、上手な伝え方についてご説明します。
介護職の退職理由の本音
求人先に退職理由や転職理由をどう伝えるかは介護業界の転職活動で悩む大きなポイントです。
公益財団法人「介護労働センター」の調査によると、介護職の退職理由の上位を、
- 結婚や出産などライフステージの変化
- 職場の人間関係の問題
- 勤務先の将来性への不安
などが占めています。
結婚や妊娠・出産、育児がきっかけで退職したと伝えるのは、とくに問題ありません。
人生の大きな節目で生活ががらりと変わるため、採用側も違和感なく受けとめてくれます。
しかし、職場の人間関係に悩んだり、給与の低さや休みの少なさなど待遇や経営方針に納得がいかなかったり、といった理由の場合、そのまま伝えてしまうとマイナスな印象を与えてしまう場合があります。
面接で退職理由を聞く大きな理由は?
介護業界に限らず、転職活動の面接で退職理由をどう伝えるかは、大きなテーマです。
なぜ採用側は応募者の退職理由を質問するのでしょうか。
一番の狙いは、応募者の人間性を把握して、施設の雰囲気やメンバーとの相性を図るためです。
もし、前職までに次々と上司や同僚と衝突して、人間関係が悪化。その度に退職していたとしたら、どうでしょう。たとえ応募者が正しい理由を話していても、
採用担当者側は、
「協調性に問題があるのではないか」
「もし採用しても、また同じように何かあるとすぐ辞めてしまうかもしれない」
と心配になります。
また、誰でも応募先にストレートに伝えづらい退職理由をどのように整理して答えるかを通して、応募者の考え方や感じ方、人間力を知ることもできます。
とはいえ、いくら採用してもらいたいからといって、ウソをついたり、大事なポイントを隠したりして答えるのはよくありません。
転職後、いざ働き始めたとき、施設側も転職した側も、思わぬミスマッチを感じて、不幸な結果になるだけだからです。
加えて、転職後に長く勤められるかを見極めるためであったり、仕事に対する熱意があるかを判断するためであったりもします。
退職理由はポジティブに変換して好印象!
ウソや大げさはNGですが、ネガティブな退職理由であってもうまく表現や伝え方を工夫すればポジティブな印象を与えることができ、好印象にすることができます。
ここからは、面接でよく登場する退職理由を3つのパターンに分けて無難な答え方の回答例、例文を考えていきましょう。
もし退職理由が思いつかない場合は参考にしてみてください。
職場の人間関係に問題があった場合
介護職に限らず、退職理由のトップにやって来るのが、職場の人間関係です。
他人同士が同じ職場で働く以上、多かれ少なかれ相性の問題やコミュニケーションのトラブルは起こります。
採用側は、たとえ職場の人間関係で問題があっても、協調性を発揮してスタッフとうまくやっていける人材を探しています。
人間関係に不満や悩みがあって退職した場合は、次のポイントを意識しながら退職理由をまとめていきましょう。
- 積極的に積極的にチームケアを提供している職場で活躍したい
- スキルや経験の豊富な先輩スタッフの下でスキルアップ・キャリアアップしたい
- 介護サービスに対する明確な目標のある職場で働きたい
- 主体的に行動し、周りに好影響を与えながら働きたい
施設の方針や運営に問題があった場合
介護施設ごとに、それぞれの経営方針や運営体制があります。
事業所の経営方針や業務指針に不満があって退職した場合、ストレートに伝えてしまうと採用側は
「うちの事業所の方針や職場の運用方法と合わないのではないか」と不安にさせてしまいかねません。
面接担当者は、勤務先の方針と多少合わなかったとしても、業務をしっかりこなして対応し、利用者との信頼関係を大切にしてくれるかどうかを見ています。
前職の職場に不満があったときは、次のようなポイントをベースにして退職理由を整理しましょう。
- 業務の質や効率化をアップするため職場に働きかけたが、思うように改善されなかった
- 事業所の方針や運営のせいで利用者に対する介護サービスの質に影響する恐れがあった
- 利用者のケアを大切にして信頼を得ている転職先と思って応募した
- 教育・研修体制が整っている施設で働きたいと思った
収入や待遇に問題があった場合
介護業界は全体的に平均給与が低い業界です。
どの施設でも十分な給与を出せているかどうかは採用側にとってセンシティブな問題です。
休日や労働時間、残業についても同じのため、そのまま伝えてしまうと
「仕事よりも給与や休みを優先する人では?」と心配を与えてしまいます。
収入面や待遇面が原因で前職を退職したときは、仕事は仕事、休みは休みとオンオフを明確な姿勢で運営している点や評価制度がしっかりしていることなどを中心に退職理由をまとめましょう。
- 過度に休日出勤や残業が続くと、出勤日の介護サービスまで影響があるのではないかと心配になった
- ワーク・ライフ・バランスを意識して、質の高い介護ケアができるように取り組みたい
- 働きぶりに応じてしっかりと評価制度が整っている職場で働きたいと思った
まとめ
誰でも実際の退職理由や転職理由はネガティブなものになりがちです。
しかしそのまま本音をストレートに伝えてしまうと、採用側に思わぬ誤解を与えたり、採用されるものも採用されなくなったりする恐れが大きくなります。
退職理由は、悪口ではなくポジティブな言い換えを意識してまとめていけば、採用側に対して印象の良い内容になるものです。
ここで紹介した退職理由をまとめるポイントやコツを参考にしながら、
嘘の退職理由は面接担当者にバレる可能性がありますので、ウソをつくことなく無難な転職理由になるように整理して面接に臨みましょう。