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介護現場では「ポジショニング」が大事!

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介護現場では「ポジショニング」が大事!

ポジショニング
 介護の現場では、ポジショニングが必要な利用者さんは大勢います。
 ポジショニングは、自分で動けない方の関節拘縮や褥瘡の予防、筋緊張の緩和などに役立ちます。その方にとって、自分の能力を最大限発揮できるポジションにすることが重要です。
 一人一人に合ったポジショニングが出来れば良いですが、実際に働いていると「これでポジショニングは大丈夫?」「このクッションの入れ方おかしくない?」と思うことがしばしば…。

 介護の現場はチームプレーです。働く職員全員が同じ認識で、利用者さんのポジショニングができると良いですね。
 今回は、ポジショニングについてお伝えしたいと思います。

ポジショニングの4つの目的

安定した体位を保つ

 ベッドで寝ているときや、車いすに座っているときに、身体のどこかが浮いていたり、変な場所に接触していると気になりますよね。病気などで、自力で身体が動かすことが難しい方にとっては、とても苦痛に感じてしまいますので、安定した姿勢を取るためにも、ポジショニングは大切です。

筋緊張の緩和

 筋肉の緊張やこわばりをゆるめることができます。筋肉の緊張を緩め、リラックスできると良いですね。筋肉の緊張が起こる原因は様々ですが、不安定な状態や無理な姿勢をしているときに筋緊張が高くなってしまうことがあります。

 その方に合ったポジショニングをして、筋肉の緊張を緩めながら、良い姿勢・体位にしていきましょう。無理やり行うと、逆効果になってしまうことがありますので注意してください。

関節拘縮の予防

 長時間同じ姿勢でいると、関節が固まって、関節拘縮が起きてしまうことがあります。関節拘縮が起きてしまうと、着替えやおむつ替えなどの介助が大変になってしまいます。
 また固まってしまった関節を無理やり動かすと、とても痛いです。利用者さん、介護をする私たちのためにも、関節拘縮は起こらない方が嬉しいですよね。正しい位置でポジショニングを行い、関節拘縮を予防しましょう。

体圧を分散して、褥瘡を予防する

 褥瘡とは、床ずれのことです。褥瘡は、骨が出ている部分にできやすいです。長時間同じ姿勢でいると、身体の一部に圧がかかり続けてしまい、圧がかかりすぎると褥瘡の原因となってしまいます。
 一度なると、慢性化しやすいので注意してください。

 ポジショニングで体圧を分散させ、褥瘡を予防しましょう。また、体の向きを2~3時間ごとに変えることも重要です。

ポジショニングをするときの3つの注意点

1. 全身の状態を把握して、筋緊張や体のゆがみをチェックする

 利用者さんの全身状態を確認し、筋肉のこわばりやゆがみを確認しておきます。

2. 頭→つま先側へ順番に体位交換を行う

 体位交換が必要な方の場合、頭側から順番に身体の向きを変えていきます。
 少しでも自力で動ける方の場合は、向いてもらいたい方向を伝え、自分で身体の向きを変えてもらいます。必要に応じて介助をします。自分で身体の向きを変えてもらえれば、リハビリにもなりますし、自立にもつながります。

 この時に無理強いは禁物です。

3.クッションはケチらない

 ポジショニングは人により必要なクッションの大きさや個数が違いますよね。また、向く方向によっても必要なクッションと不要なクッションが出てくるかと思います。
 利用者さんの体に合わせてクッションを用意してください。
 クッションが足りないと、身体が不安定になってしまったり、上手に圧が分散できなくなってしまいます。

利用者さんの情報をチームで共有する

 私の働いている施設でのお話になります。

 私の働いている施設には、ポジショニングが必要な寝たきりの利用者さん(Aさん)がいらっしゃいます。
 体位交換や、車いす⇔ベッドへの移乗は職員全員で行っています。なので、人によりポジショニングの仕方にバラツキがありました。また寝たきりなので、体位交換も必須です。

 そこで、全員で情報を共有するために、Aさんの利用しているベッドにポスターを貼りました。
 ご本人様やご家族様等の許可を取り、写真付きでポジショニングの様子をポスターにして、使用するクッションや、クッションを入れる場所、注意点などを一目で分かるようにしました。

 こうしたことで、Aさんの情報を職員で共有でき、新人からベテランの介護職全員が正しいポジショニングを行えるようになりました。
見える化

最後に

 ポジショニングを一人一人に合わせて行うことはとても大変だと思います。ですが、ポジショニングを正しく行わないと、大変なことになってしまいます。
 褥瘡や関節拘縮を防ぎ、利用者さんが明るく過ごせるよう、ポジショニングを行っていきましょう!

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