ユニットケアは新しい介護のシステムであり、従来の介護方法とは全く違う考えのもと生まれたシステムです。
ここでは、ユニットケアが従来の方法とどうちがうのか、メリットやデメリットなどについてご紹介していきます。
現在増え続けているユニットケア、十分に理解をしておくことをお勧めします。
従来型の問題点とは
ユニットケアは従来のやり方に問題点が多かったため実施された方法です。それでは従来のやり方のどの部分に問題点があるのでしょうか。
従来の方式とは、一つのフロアに高齢者を50名前後集めて、大人数が共同で生活をするやり方です。従来型特養などで採用されています。
非常に多くの人数を一度に対応するので、ひとりひとり細かい対応をすることが難しく、個別ケアには向いていないといえます。
また、職員も高齢者の数が多すぎるので日々の様子を把握しきれず、ここでも細かい対応が難しいというデメリットがありました。
人数が多いとどうしても時間に追われるようになり、職員が体を壊してしまったり、高齢者の事故も多くなるなどといった問題点も浮上してきたのです。
そこで登場したのがユニットケアです。ユニットケアはどんなメリットがあるのでしょうか。
ユニットケアのメリット
ユニットケアは少人数制の介護であり、1ユニットはおおよそ10名~15名前後です。その少人数を専任の職員でケアを行います。
職員からしてみれば10名~15名前後の高齢者だけを対応するので情報を把握しやすく、日々変化する情報も把握しやすいといえますしそれは高齢者も同じであるといえます。
介護を受ける側としてはやはり同じ職員、慣れた職員に対応してもらう方が良いという考えの方も多く、ユニットケアではそれが実践可能ですので高齢者にも職員にも優しいシステムであるといえます。
また家族の方からも顔馴染みの方が多いので安心するといわれています。
また人数が少ないですので、集団的なイベントも行いやすく外出ツアーや買い物などのイベントなども実施しやすいです。従来型のような大人数を対応しているところでは、イベントを行うとどうしても人数が多く、実施しにくい部分がありましたがユニットケアはそれを解消してくれました。
ユニットケアは介護職員からしてみればメリットが非常に多い方法であるといえます。
ユニットケアのデメリット
ユニットケアのデメリットとしては、ユニットケアの実施、運営が難しいということです。
例えば、50人の高齢者を一度に見る施設では、一日の介護職員は8名前後で良いのですが、ユニットケアの場合は倍程度の職員の確保が必要になります。
例えば、10人1ユニットの施設では50人を対応しようと思いますと、5ユニットに分かれます。
日勤帯だけで5名必要であり、早出や遅出がいると15名の人員を確保することが必要になります。
従来型であれば8名で良いところ15名の介護職員が必要になりますので、人員の確保及び人件費の高騰が出てきてしまいます。
そういった背景からせっかくユニットケアを実施したとしても途中でやめてしまう、設備面だけ整っているが運営が難しいという施設も出てきています。
実施に労力や資金などが必要になるのがユニットケアのデメリットであるといえるでしょう。
まとめ
現在介護職員の数は非常に少なくなってきており、どの施設でも人員の確保は非常に課題になっている部分であるといえます。そのため、人員が一定数以上必要なユニットケアは実施が難しくなる施設も出てきています。
しかし、実施することが出来れば非常に優秀なシステムですので、ユニットケアはケアの方法としては間違っていないといえるのです。高齢者にも職員にも優しいユニットケアの安定した運営を出来るようそれぞれの施設の工夫が必要となります。