訪問介護事業所には必ずサービス提供責任者を置かないといけない決まりがあります。
配置基準というものであり、サービス提供責任者を配置しない場合は、事業所を続けていくことが出来なくなります。
ここではサービス提供責任者の配置基準についての説明と、サービス提供責任者にまつわる減算についてご紹介していきます。
サービス提供責任者の配置数について
サービス提供責任者が事業所1つに対して1名は必ず配置しないといけない決まりになっています。
例えば、利用している方が1名だけでも必ずサービス提供責任者を配置をしないといけません。
また、利用者の数が増えていく毎にサービス提供責任者数も増えていきます。直近3か月の利用者数が40名以下ならサービス提供責任者は1名のみ、40名以上から80名以下までは2名、80名以上120名以下なら3名と利用者の数が増えるごとに、サービス提供責任者の数が1名ずつ増えていく配置基準となっています。
ここで覚えておきたいのは、直近3か月ということです。3か月間の平均をとってその名数が40以上であれば追加の配置が必要になります。
例えば、1月の利用者数は65名、2月は30名、3月は40名で計130名÷3か月=43.333…の場合、直近40名以上となりますので、サービス提供責任者を2名配置しないといけません。
ひと月の人数が大幅に40名を超えたとしても翌月が超えていない、前月が超えていない場合はサービス提供責任者を追加で配置する必要がないといえます。
しかし、超えた際には確実に配置しないといけない決まりがありますので、早めの求人を出しているところもあります。
また最初の一人は常勤である必要がありますが、それ以上の場合は常勤換算で1名以上配置されていれば問題ありません。
つまり、最初の1名以外はパートでも問題ないのです。
サービス提供責任者関係の減算について
サービス提供責任者になるためには、資格が必要です。一番多いのは介護福祉士であり、その次は実務者研修修了者(旧ヘルパー1級)です。
看護師もなることが出来ます。
しかし、どうしても人が集まらない、いくら求人を出しても集まらない、資格者が事業所にいないという場合には経験3年以上の初任者研修修了者(旧ヘルパー2級)でもなることが出来ます。
その場合は、減算になってしまいますので注意が必要です。
初任者研修修了者がなる場合は報酬の3割がカットされています。つまり本来入ってくる報酬の7割しか入ってこなくなってしまいます。
これは、訪問介護事業所としては致命的なものであり、ただでさえ訪問介護は報酬が少ないです。
それにも関わらず3割がカットされる状況になってしまいますと事業所としての運営が非常に厳しくなってしまいます。
また、きちんとしたサービスを提供できないと考えられますので、ケアマネジャーからの紹介が減ってしまったり、利用者からも信用されない傾向にあります。
もし利用者数が40名を超えるようであれば早急に有資格者を採用して減算を防止するか、利用者数を調整して40名以上にならないように調整していくかの選択に迫られるでしょう。
まとめ
サービス提供責任者はサービスを適切に提供するためには欠かせない存在ですが、現在はその確保が非常に難しくなってきています。
サービス提供責任者を確保できないから利用者の受け入れを断っているところもあるほどです。
しかし、訪問介護事業所としては出来るだけ多くの人数を稼働させなければ、事業所としての収益を挙げにくく、確保できないことが原因で倒産をする事業所もあります。
もしこれからサービス提供責任者として働きたいと考える方は、最低でも実務者研修を修了しておくか、出来るなら介護福祉士を取得しておくことをお勧めします。