「経験があっても、資格がない」
それは私の中で小さな劣等感としていつもありました。そんな自分が資格を目指した時のお話です。
受験資格について
私は若い頃3年間特養で働いていた経験を活かしたいと、今の事業所に再就職しました。事務職に就いたので特に資格は必要なかったのですが、やはり14年も前の経験ではヘルパーさんからの疑問やトラブルなど解決することもできずに歯がゆい思いをよくしていました。
そこで「こんな古い経験でも受験資格があるのか?」をまず調べることにしました。
受験資格は、
1. 3年以上介護施設に勤務し、540日以上業務に従事した者
2.高等学校等の福祉科や福祉コースなどを卒業した者
受験資格の有無について不明な点は、試験センター(03-3486-7521)に問い合わせをすることが必要です。
※試験センターの正式名称(財団法人 社会福祉振興・試験センター)
私の場合は「14年前の経験」「結婚して姓が変わっている」ことが気になっていました。
たとえ昔の経験でも1を満たしていたので、当時働いていた施設で実務経験証明書を発行してもらうことができました。姓に関しては戸籍抄本を添付する必要があるそうです。
問い合わせする際は、自分がどのような職場でどのような仕事にどのくらいの期間従事したかを整理してから問い合わせるとよいでしょう。
勉強方法について
資格取得と言えば、やはり某通信講座の「介護福祉士講座」ではないでしょうか。テキストと問題集が充実しているので、これさえ制覇できればむかうところ敵なしです。
1. まずは学習計画を立てる
試験日までの時間を逆算して、1冊にかけられる学習時間の目安を決めること
ポイントは、無理のないスケジュールで!
2. ライフスタイルに合った計画を
仕事や家事などと並行して勉強するので、普段の生活パターンの中で1日当たりどれくらい学習時間に使えるのかを考えましょう。私の場合、夜寝る前にテキストを読み込んでおき、朝起きて30分程度問題集を解くといったスタイルでした。
3. 解けなかった問題は必ずテキストに戻って確認する
意外と面倒ですが、これをしないと本当の意味で頭に入ってこないので必ずやっていました。解けなかった問題をノートにまとめるのも効果的です。
介護技術講習と仕事の両立
当時はまだ介護技術講習か実技試験のいずれかを選択すればよい頃でしたが、14年前の経験ではさすがに自信もなかったので、改めて勉強する気持ちで講習を受けに行きました。
平日は仕事三昧、土日に片道1時間かけて指定の専門学校に通いました。
丸一日講習を受ける日々は、私の中で「こんなに大変なことを年をとってからするんじゃなかった」という後悔と、「高いお金を払っているんだから絶対合格しなきゃ!」という叱咤激励の繰り返しでした。
しかし、講習はとても勉強になりました。移動介助や食事介助など昔の見様見真似の経験にはない「安全であること」「安楽であること」「声に出すこと」が徹底されていました。
今は実務者研修が必須となっているので、できれば早い時期に受講することをお勧めします。早めに受けておけば、試験までの時間に余裕ができて勉強もきっとはかどるはずです。
今になって分かること
試験日は1月頃なので、くれぐれも防寒対策を忘れないでください。また、昼食は近隣にお店がなかったり、たとえあっても混雑したりするので、予め自分で用意しておくといいと思います。
そして時計は必ず持参した方がいいです。試験場はたいてい大きな会場なので、席によっては壁時計があっても遠すぎて意味がありませんでした。
時間がわかると問題を解く時間配分ができます。必ずしも満点を取る必要はないので、分からない問題が出題されても頭をさっと切り替えて次の問題に進む勇気を持ちましょう。
過去の問題数から計算すると、一問当たりおよそ1分45秒で解答しなければならず、見直しの時間も考えると1分30秒くらいが目安になります。日頃からスピードよく解答する癖がつくように、問題練習をしておくとよいでしょう。
まとめ
資格を取ることで、私は大きな自信につながりました。当時は仕事と遊びで余裕がなく「資格なんて今仕事ができているのだから必要ない」などと思っていましたが、「仕事をしている今だからこそ、勉強した方がきっといいよ」と若い頃の自分に言いたいです。
「介護は共感という行為を仕事とする、唯一の仕事である」とある講習の先生が教えてくれました。そんな素晴らしい仕事なのですから、もう歳だしと諦めないで再チャレンジしてよかったと思います。