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施設ケアマネとは?

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施設ケアマネとは?

ひらめくケアマネ
 現在は、在宅ケアマネとして働いていますが、以前8年間特養の施設ケアマネとして働いていたことがあります。今回はその施設ケアマネについて、私の経験を元にお話しさせて頂きたいと思います。

施設ケアマネの仕事

 施設ケアマネの主軸となる仕事は、施設利用者のケアプランを作成することにあります。

 施設ケアプランが成立する為の流れとしましては、

 1) 直近のアセスメントを取る。利用開始から2週間くらいでケアの方向性を確定。
 
2) 仮ケアプラン作成。 アセスメントの内容を織り込む
 3) ケアカンファレンス開催
 4) ケアプラン修正 ⇒ 正規プラン
 5) ケアプラン承認(家族による署名・捺印)
 6) 承認されたケアプランを各部署に配布

 という流れになります。この工程は、半年に1周期で行われていきます。しかし、入院や事故等で著しく状態が変わった場合は、臨時でプラン修正のカンファにかけ、修正することもあります。
 半年内の軽微な変更については、その都度プラン変更の会議で変更したりせず、半年後にまとめて修正にかけます。

各仕事の説明

 1) のアセスメントですが、介護の仕方だけに留まらず、看護処置の内容、食事形態、事故対策、余暇時間の過ごし方、リハビリなども含まれます。そうした施設内の多職種の業務を個別にプラン化し、集約したものが施設ケアプランになります。

 2) の仮ケアプランは各部署で収集した情報を一旦取りまとめた物です。

 3) のケアカンファレンスは、仮ケアプランを正規のプランにする為に多職種が一同に集まり、プラン変更の協議を行う会議です。

 4) のプラン修正は、仮プランに対して出た変更案を正規のプランにする為に加える作業です。

 5) のプラン承認は、変更した正規プランを家族に渡し、内容に同意して頂いた上で、署名・捺印を頂く行為です。

 6) に関しては、各部署がプランに乗っ取ってサービスを実施する為に配る作業です。

 上記の過程を得た上で、正規の施設プランが完成し、6ヶ月ごとに更新していく流れを続けていくのが施設ケアマネの仕事になります。

 専門用語ばかりでわかりにくいですが、簡単に言いますと、「他職種で成り立つ高齢者施設でチームとなって一貫したサービスを行う為のまとめ役」それが施設ケアマネで、その人のケアを行う上でのトリセツ(ルール)を書面化するのも施設ケアマネの仕事となります。

 ただ「ご家族の承諾無くして、施設のやり方に従って頂く」というスタンスは取れないので、プランには必ず家族さんの同意が必要です。同意を得た上での正規プラン、それがケアプランの着地点となります。
まとめる女性

まとめ

 私が勤めていた時は、施設の相談員と兼務で施設ケアマネをしていました。その為、純粋に施設ケアマネだけをしていた訳ではありません。ある施設では、施設ケアマネも現場に入る形をとっているところもあります。兼務のスタイルは施設に応じて違うみたいです。

 名目上は「専任の施設ケアマネを置く」とあるので、現場に入らない扱いで登録されていますが、人手不足からそうも言っていられない現状もあるようです。
 また人材不足の施設だと、ケアマネの資格を持たない職員にプランを作成させ、プラン作成者の部分だけ登録上の施設ケアマネの名前を書いているところもあるようです。

 どの形が良くて、何がダメなのか?明確なことは言えませんが、人員基準さえ満たしていれば、施設ケアマネが現場に入ろうが、現場がプラン立てようが何でも良い、というのでは、本来の国が定めた方向性を理解していないのでは無いかと思います。

 各々の能力にもよりますが、本来やるべき人がやるべきことをやる。それが当たり前で何の違和感もない。そんなスタイルを真っ直ぐにやれる施設の方が、働いている有資格者の方もやり甲斐があるのでは無いかと思います。

「ケアマネ取っても、資格手当が追加になっただけで、仕事内容が変わらない」では、せっかく資格を取ってもモチベーションが上がらないので、残念な体制から脱却し、一つでも多くの施設で本来の施設ケアマネの業務が浸透出来る体制を整えて頂きたいと切に願います。

 そういう意味では、私の勤めた施設は、国が掲げた体制で業務が実際に出来た理想に反しない施設であったのだと思います。
 他職種を取りまとめるのも大変ですが、上手くこなせるようになれば、やり甲斐のある仕事だと思います。

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